つり堀

山本 啓子

 さぁ~鮭の掴み取り始めるよぉ!ちょっと、あんたお金もらって!

  あわてて、その辺にある袋を腰に縛りつけ、フジプラさんの横で助手を始めたのがつい、数年前の気がします。毎年ずぶぬれになって、大人も子供も、鮭の掴み取りに大はしゃぎ!毎年、必ず来る人、たまたま、観光で寄った人、その楽しさは、お客様だけでなく、私達も、じゅうぶん楽しんでいた様に思います。

   観光で見えた方の真っ白いズボンに、捕まえた鮭が土の上で思いっきり飛び跳ね、泥だらけ・・・跳ねないように、鮭の頭をスコンと清水さん・・・。たちまち実行委員会の方に、頭を叩くのは××××と電話が入ったとか。

   その後、山女を放して釣堀をやろうよと、思いつきのような形で、またまた、フジプラさん!あんた、そこの湯川さんに言って、釣り竿もらってきて。私は言われるままに釣具屋さんに行くと、このままじゃ釣れないよ・・・針は、糸は、おもりは、と全く釣りをしたこ事のない私が、明日の朝まで、お願い湯川さん、すぐ釣れるようにしておいて下さいませんか、とすがってお願いし、数年間そうやって、お世話になりました。

   つり堀をするためには、釣った魚を入れるバケツも必要なのだと、前日になって必死で100個のバケツ・・・千歳中、探しまわり、やっとの思いで、とりあえずホームセンターで工具箱を見つけ夜中かけて針金をきり、取っ手をつけました。今の様に100均で可愛い、カラーバケツがいくらでも売っている時代ではありませんでした。昨々年、その最初に苦労して用意した、あのバケツをお別れしましたが、私にとっては、とても感慨深い事でありました。しかし今は綺麗なバケツ!

  お父さん、お母さんに手を引かれ、じっと長い時間待ちながらも、嬉しそうにバケツを受け取っていく子供達の姿を見ていると、もっと早くに変えてあげれば良かったと思わずにはいられません。

   まだまだ、いろいろな事がもっとたくさんありますが、インディアン水車祭りにかかわり、何といっても、沢山の良い人に出逢えた事、私は感謝の気持ちで一杯であります。